大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和23(れ)1007 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人岸達也の上告趣意は末尾添付の書面記載のとおりである。

同第一点について。

原審公判調書によると、被告人は裁判長から公訴事実を読み聞かされて、そのと

おり相違ないことを自認した外、裁判長との間に種々の問答を重ねてその間に論旨

に摘録したような問答をかわしている。その供述の全趣旨とするところは結局原判

示に一致するものと認められるので、原判決には所論のように証拠の趣旨を誤解し

た瑕疵はない。又被告人が被害者と多少知り合いの関係に在つたとしても原判決に

挙示する証拠によれば原判示のような恐喝の所為を認定し得られるのであるから、

原判決には所論のような証拠理由不備の違法もなく論旨は理由がない。

同第二点について。

刑法にいわゆる連続犯は同一の罪名に触れる数個の行為を一罪として処断するの

であるから、連続犯を構成する犯罪事実を判決に示すには連続して行われ数個の行

為を包括してその犯行の期間、場所、態様等を特定するに必要な程度の具体的事実

を説明すれば足りるのである。本件について原判決は被害者Aに対する被告人の恐

喝の所為に関し具体的に必要な事実を説明した外、その他の犯行についてもその期

間、場所、回数、被害者の氏名、犯行の態様、被害総額等を包括的に判示している

のであるから連続犯を構成する犯罪事実の判示として欠くるところはない。論旨に

引用する当裁判所の判決は本件に適切なものではなく所論は理由がない。

同第三点について。

原判決は、被告人がAに対し自己の不良としての性行を利用して金銭の貸借を申

し向け若し同人がこれに応じないときはその身辺にいかなる危害が及ぶかも知れな

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いような態度を示して同人を畏怖させたことを判示している以上恐喝の所為の具体

的表示として十分である。

されば、原判決には所論のような違法はなく論旨は理由がない。

よつて、刑事訴訟法第四百四十六条により主文のとおり判決する。

以上は裁判官全員の一致した意見である。

検察官 宮本増蔵関与

昭和二三年一〇月二六日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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